宇和島城、宇和島駅、どちらからも直線距離で1km弱。天神小学校裏手の山がフィールドだった。朝9時、天神公民館に集まった面々は、先生の海田さんとコーディネーターを除くと、平均年齢70歳近い3人。
天神公民館から小学校脇を通り、民家を抜けると、裏山への登り口だった。宇和島城を望み、すぐ下には伊達家の墓所も見える。道路を外れて、チョコッと5mほど山の中に入る。「あった!」。シカとウサギ、タヌキのフンが見つかった。こんなところで、と思うくらいだ。
つづいて早速、設置してあったカメラからSDを取りだして、その場でパソコンで確認をする。「映ってる、映ってる」。シカ、タヌキ、ウサギがやってきていたのだ。
その後、裏山の獣道をたどって、生きものの痕跡を探す。といっても、雪道でもなければぬかるみでもないから、痕跡は動物のフンということになる。おおきなクスノキの根元ではムササビのフン、スギの植栽地ではシカの食害痕と大量のフン、人家(?)の跡の湿地はイノシシのぬた場、尾根筋の作業道にはイタチかテンのフン。
作業道をさらに歩くと、もう一つのカメラ設置点で、そこにはタヌキの貯めフンが…。ここでもカメラをチェックすると、やっぱりタヌキが現れていた。作業道の真ん中で、悠々とコトを済ます姿が捉えられていた。
帰り道(?)は、尾根筋の作業道から、ほとんど直線の獣道を下る。かなりきついコースで、やはり1人が足を滑らせた。手近な植物をつかんで立ち直ったものの、「痛いっ、つつ!」。つかんだのは、とげのある小さな山椒の木だったのだ。「この、このっ、このっ」と山椒の木に八つ当たりする。歳をとると、子どもに還るってほんとうかもしれない。
いや、とても面白かったです。小都市とはいえ、こんなに人の近くに動物たちが現れていたとは。これからはもっと、人間と動物たちのインターフェースを考えなければならないと、つくづく思いました。子どもたちが参加してなかったのが、ちょっと残念でしたが…。
(報告=D・T)