◎内子の炭de火鉢カフェ
大街道商店街の真ん中に、輪になって鎮座する火鉢たち。
中では炭に火が熾り、澄んだ高い音が鳴る中で、授業は始まりました。
講師は、内子町の愛炭企業組合の武藤浩次さん。7年前、自給自足の暮らしを営むべく内子に移住したところ、炭づくりに魅せられたそうです。
内子で生産している炭は主に茶道用。菊炭と呼ばれるその断面は美しく、思わず見とれてしまいます。炭を手にとりながら、内子の菊炭の品質の良さやご苦労について説明してくださいました。太い炭にも樹皮が残るように仕上げられるかが腕の見せ所なのだとか。
また、クヌギの木を伐るところから、窯に並べて、火を入れて、炭になるまでの炭焼き工程について、写真を用いながら説明していただきました。5〜6日ほど窯を焚き、2トンのクヌギから出来上がる炭は400キロ。その中でも茶道用の炭として出荷できるのは半分くらい。とても貴重な炭と言えます。
そんなお話を伺う間も足元は炭火でぽかぽか。網の上では、じわじわとお餅や干しイモが炙られていきます。少し身を乗り出して火鉢の上に手をかざしながら話をしていると、人との距離が少し縮まるような気がします。こんなカフェがあちこちで、もっともっと広がればいいな、と思った授業でした。(報告=新居田真美)