今回はしまのわ分校の17時間目の授業ということで松山から3時間ほどかけて魚島に降り立ちました。
「な、なんだここは!?」、シティボーイ(新居浜市出身)の私にとってはカルチャーショックにも近い、衝撃?感動?がありました。こんな瀬戸内海のど真ん中に人が住んでいる島があるなんて、、、。
私たちは、目的のテンテコ踊りのある日の前日から島に来ていたので、その日は盆踊りや出店のお手伝いをさせて頂きました。盆踊りに参加させて頂いたときには、その不思議なお祭りの片鱗が現れていました。なんと着替えの段階で島の人たちが私たちに女性もののドレスや、どこで買ってきたか分からないカツラを被せてきたのです。外から来た人間がこんなにも目立っていいのか!?そんな後ろめたさを感じながら盆踊りに向かうと、皆が私たちの方を見て笑ってくれるのです。「いいぞいいぞー!」、そんなことを言って私たちを迎え入れてくれました。面白ければ構わない、そんな島の人々の懐の深さを感じました。
翌日、テンテコ踊りの当日となりました。私はテンテコ踊りの内容をよく知らされていなかったので、テンテコ踊りの待機所へ向かったときに衝撃を受けました。なんと、大人も子どもも皆顔に白粉を塗りたくっているではありませんか。バカ殿様もびっくりです。そして真っ白の顔にお互いペンで落書きをし合っているのです。こんな光景見たことありません。準備が完了したところで、待機所から無数のバカ殿様が出て行きます。お祭りのルールは、東西に参加者が分かれて向かい合い、ゆっくりとお互い歩み寄りながら掛け声を出してその声の大きさを競うというシンプルなものです。
「テンテコ〜、テンテコ〜、テンテンヤ〜!」「ヤー、そうりゃさーそうりゃさー!」
この掛け声で踊りながら、ゆっくりとお互い歩み寄っていくのです。ただそれだけなのですが、島の人たちが皆笑顔で踊りを見つめていました。島民の方からお話を聞くと、島がこんなに活気に満ちているのは今の時期くらいとのことでした。このテンテコ踊りは古くからの伝統を守りつつ、島民と笑顔を繋いでくれる架け橋となっているんだなと感じました。そんな大切なお祭りに参加させて頂いて、島の一員になれているような気がしてとても光栄に感じます。
もしかしたら、もう二度とテンテコ踊りを踊る機会は訪れないかもしれませんし、魚島を訪れることも無いかもしれません。そんななかで私たちにできることは、体験を文字に起こすことでこんな素晴らしい祭りを多くの人に知ってもらい、後世に残していくことではないかと思います。こんな素晴らしい機会を与えてくださった方々に感謝したいです。
【授業レポート:園部 修一】