松山でアボカドの産地化を目指していることは、以前にも耳にしたことがありました。けれど実践の場を目の当たりにして、まさに百聞に勝る刺激でした。
授業は「講義」「園地見学と接ぎ木体験」「試食」の三部構成。
まずは熱帯果樹の栽培が、ほかの果物の生産と比べてどのような割合を占めているのか、またその中でもアボカドがどのような位置づけにあるのか、国際的な視点と国産の状況から丁寧な説明があり、産地化を目指す意味が大変分かりやすかったです。

そして園地見学では、ずらりと並んだ苗木の壮観に興奮。
松山で目指している露地栽培ではないものの、初めて見るアボカドの実のなった樹に大興奮。

しかも、スーパーなどで見かける外国産のものとは違う品種で、同じものを園地見学の後に試食しましたが、これが美味しいこと。
国内産地化の未来の一端を垣間見て、いつの間にか、その最先端に立っているような気になってしまいました。
会場が農業指導センターであったということもあり、産地化と聞いて思い浮かんだのは、栽培技術や品種の研究でした。
でも実際は、後継者の問題や、栽培農家のやる気を持続させることなど、現在、過去、未来、風景と人間、第三世界の地域開発や震災復興にも通じる宇宙的な取り組みなのですね。

接ぎ木体験でおそるおそる穂木を差し込んだ、この小さな頼りない苗木も、そんな熱い物語にまでさかのぼれば、何とも言えない重量感。

【報告者:うえはらゆうき】